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樹体の解剖
しくみから働きを探る
- 深澤和三 著
- B6判/199頁
- 定価1,676円(本体1,524円+税)
- ISBN9784906165667(4906165664)/C1040
- 書棚:森林科学・一般
| 冊子版 品切・再版未定
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| 刊行:1997年12月 定価 1,676(本体1,524円+税)円/259g ISBN9784906165667(4906165664)/C1040 |
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刊行:2015年11月 ※eStoreで販売
1,341(本体1,219+税)円
ISBN9784860999186/C1840 |
樹の体のしくみは動物のそれよりも単純といえる。しかし、数千年の樹齢や百数十メートルの高さ、木製品としての多面性など、ちょっと考えるだけで樹木には様々な不思議がある。樹の細胞・組織などのミクロな構造から樹の進化や複雑な機能を解明。
第一章 環境の歴史を刻む年輪
1 樹齢の数え方
2 どんな樹でも年齢は数えられるか
針葉樹の年輪/広葉樹の年輪
3 年輪の数えかたを乱すもの
偽年輪/不連続年輪/熱帯の樹や寒帯の樹の年輪
4 年輪を読む
年輪は歴史的情報源/年輪幅だけが情報源ではない/年輪解析の具体的な例
/時代をさかのぼる
第二章 樹体のできかた
1 樹をばらばらにしてみよう
三つの方向と三つの断面――樹体の基本方向と基本断面/顕微鏡の世界
2 樹の伸びかた
芽の組織と伸びかた/形成層への発達――太る準備
3 樹の太りかた
形成層細胞(原始細胞)の分裂/形成層の一年間――季節による変化
4 細胞の分化と完成
木部細胞の分化と拡大・肥厚/内皮細胞(篩部)の発達とつぶれ
5 外と内の連絡組織の完成
放射組織細胞のおこり/放射組織のしくみと働き
6 外皮とコルク――周皮
コルク組織/皮の中のとげ――スクレレイド
第三章 樹の一生
1 加齢と細胞の変化
樹は横断面の高さによって年齢が違う/形成層年齢と細胞の分化・成熟/若
い木部と年を取った木部――未成熟材と成熟材/木の性質(材質)が変わっ
てくる/樹の寿命と老化
2 自分の体を守るために
プレストレスの構造体――成長応力/幹の傾きの修復/けがと病気――傷害
材/低温・高温による傷害――気象災害/腐れへの対策――心材化
第四章 樹体内での水の動き
1 水の通路
開閉弁をもつ有緑壁孔/パイプとして連なる道管/水を通す繊維と通さない
繊維
2 動く水と溜る水
動く水/溜る水
3 細胞の空洞化
水が無くなるとき――通導機能の停止/壁孔の閉鎖/道管の閉塞
4 水の量の変動
辺材と心材/含水率の季節変動
5 水食い
第五章 細胞壁
1 細胞壁の構成成分と合成機構
三つの大きな化学成分とそれぞれの役目/壁成分の合成経路
2 細胞壁の形成
細胞壁形成に携わる細胞小器官/その他の細胞小器官/細胞壁成分の生成と
堆積
3 細胞壁の構造
三つの壁層構造/樹を支えるミクロフィブリルの変化
4 リグニンが教える樹の特徴
顕微鏡下でのリグニンの検出/木化――細胞壁へのリグニンの沈着/リグニ
ンの多様性――リグニンの違いをみる
第六章 樹の進化
1 植物の分類と木本植物
人為分類から系統分類へ/木本植物の分類
2 維管束の配列と中心柱
3 裸子植物の出現と進化
樹のルーツを探る
4 被子植物の出現と進化
被子植物の系譜/化石からみた一億年間の改良
5 樹の進化と化学成分
リグニンの改良/その他の化学成分と分類(ケモタクソノミー)
索引と用語解説
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