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林政ニュース 第143号 ■

 本書は、『魏志倭人伝』(弥生時代)から『伊呂波字類抄』(鎌倉時代)までの古典に現れる主だった木を選び、その記述を引用しつつ、木へ寄せた人々の思いがどのようなものであったかを、十章にわたって掘り下げた一冊。  
 「古代に<つき>(槻)と呼ばれていた木が、いつ頃ケヤキと呼ばれるようになったか?」、本書執筆のきっかけは、このナゾを解くことだった──と、著者(京都大学名誉教授)は言う。国内の各地方によって、また周辺地域からの人々の移動に伴って、いま何気なく使っている木の名前が、曲折を経て今日に至っている、その子細が明らかにされている。私たちが慣れ親しんでいるスギに関しても、「スギの名前の由来は“直ぐ木=真っ直ぐな木”から来たというのが定説になっている。ところが、この説が唱えられたのはそれほど古くなく、国学や本草学が盛んになった江戸時代である」「“スギ=直ぐ木”は江戸時代の学者の思考の産物にすぎない」とその思い込みを正している。

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