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日刊木材新聞 4月 29日号 ■

木材建築物の限りない美しさ、迫力を感じさせずにはおかない。

 世界最古の木造建築とされている法隆寺や最大という東大寺、大仏殿などをはじめ「日本の国宝建築はすべて木造」(本書 ・序文より)だという。やはり序文によると「現在国宝建築物として125カ所、209件が指定」されているというが、本書「国宝建築探訪」は著者 ・中野達夫氏がその1つひとつを訪ね、自らシャッターを押して建物の表情やたたずまい、あるいは木組や彫刻の特徴ある姿を撮し取った写真集。
 著者の中野氏は昭和10年、京都府生まれ。京都府立西京大学(現京都府立大学)を卒業後、広島県職、農林水産省林業試験場(現森林総合研究所)木材利用部長を経て信州大学教授(農学博士、3月で定年退官)という、木材学者。プロの写真家ではないので、木造国宝の写真集といっても、仕事の合い間を縫って現地を訪ねるのだから雨天の日もあれば、時には工事中というケースもある。
 つまり常にシャッターチャンスに恵まれるわけではなく、当然一般人が立ち入りを禁じられているもの、撮影禁止の国宝は写真がない。
 しかし、前述のように125カ所、209件の国宝建築を全て訪ね、木材学の専門家の目でその魅力を撮し取った写真には見る者をして木材建築物の限りない美しさ、迫力を感じさせずにはおかない。収録された420枚の写真は全てモノクロ。それだけに著者の鋭い観察眼が直接伝わって来るようだ。

詳しくは 国宝建築探訪のページへ